腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

手術〜①入院から手術実施まで

いよいよ手術だ。

12月には、無事に最終試験も終了し、引き継ぎも終えることができた。プライベートでは、1日に浦和レッズのシーズン最終戦(娘と参戦)、8日は僕の誕生日で北浦和十勝平野」にて家族でジンギスカン(これは食べることができた!)、翌日9日は午前中にさいたま国際マラソンを沿道で応援(自宅のすぐ近所を通る)した後、埼玉スタジアムにて天皇杯決勝(娘と参戦)。さらに翌週は、僕が以前PTA会長を勤めていた小学校で焼き芋イベントがあったので顔を出し、週末イベントをコンプリート。そう、僕は前年度までPTA会長で、息子の小学校卒業と同時に退いていた。ついでなので校長やPTAの役員仲間に手術のことを知らせる。

12月27日には手術直前の状況確認ということでE先生受診。特に変わりないことを話すが、貧血があまり改善していないのでやはり輸血の可能性があることを告げられる。

その後、年末からそのまま休みに入り、正月は毎年恒例にて妻の実家にて数日過ごす。この頃、「疲れやすさ」がピークに達しており、正月に妻とスーパーへ買い物に行くなどしても歩き回っていられず、すぐに帰ってきてしまう有様だった。

妻の実家から帰宅した後、入院する前の1月6日に地元の神社(浦和の調宮神社)へ家族で初詣に出掛ける。今回は「病気平癒祈願」ということでご祈祷も受けた。

入院中はおそらくたっぷりとある時間を持て余すだろう、ということで暇つぶしに備える。まずは「積ん読」になっている本をかき集めて持っていく。それから、Amazonプライムに入っているので無料の映画やドラマをタブレットにたくさんダウンロードしておく。

 本はこんな感じ。

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映画・ドラマは、SUITS、ヴァイキングシャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニーJr版)、トランスフォーマーシリーズあたりをチョイス。

1月8日火曜日、翌日は朝9時から手術ということで、前日に入院。夜から「絶飲食」となる。

入院後、妻とともに、E先生より手術についての詳しい説明を受ける。わかりやすく説明してもらった。すなわち、二つある腎臓は、大きく三つの管で外部とつながっている。大動脈、大静脈とはそれぞれ腎動脈、腎静脈でつながり、そして膀胱と尿管でつながっている。手術では、これら三つの管について腎臓側と外部組織側の2か所を止めた上で、真ん中をパッチンと切る。その後、腎臓を取り出す。今回は全部摘出なので、やり方としては比較的単純ということだ。なるほど...こう聞くと簡単にできそうな気がしてくるが... 

手術当日の朝、まずは下剤を坐薬にて入れる。前夜から飲食していない上、手術前に全部出してしまう。あやうくトイレに間に合わなそうになるが、ぎりぎりセーフ。

その後、手術着(入院用の浴衣)に着替える。その際、肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)予防のため、弾性ストッキングを着用を指示される。足首から膝まであるもの。今はこういう対策もしているようだ。その間に妻も合流。

肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)予防の弾性ストッキング

血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)予防の弾性ストッキング

その後、8時30分頃か?看護師が呼びに来る。手術室があるエリアは何枚かの扉で仕切られていて、一枚入ると待合室のような場所。何人かでビデオを見るようなスペースがあり、免許の更新のようだ。さらにそこから呼ばれ、別室にて麻酔科の医師による説明を聞く。

麻酔科医師より、全身麻酔についての説明。概要とかリスクの話だったのだろうが、あまり覚えていない。そしてなぜかこの医師、一度も僕の目を見ずに、ずっと妻の方を見ながら話している。誰に説明してるんだよ。後ほど、その点を妻と同意。

その後、手術室へ。さらに一枚扉を開けて、担当看護師と一緒に入っていく。妻は同行できるのはここまでだ。「行ってきます」「行ってらっしゃい」と会話しつつ軽く手を握り、別れる。

ちなみに僕はというと、朝から特段の緊張はしていなかった。それほど難しい手術ではないようだし、どうせ全身麻酔されてしまうし…ということで、不安もなく、淡々とした気持ちで手術開始までを過ごした。もちろん手術は初めての経験なのだが、小さい頃から医者関係は平気で、注射、歯医者、その他の医者等で泣いた記憶がないし、嫌いじゃない。

元気なので歩いて手術室へ入り、自らベッドに横になる。手術室は医師二人と看護師3~4人ほどいただろうか。チーム!という感じだ。看護師から担当者の名前を紹介され、その後、何度か自分の病名を、患部(左腎臓)名称も含めて確認させられる。自ら読み上げ確認も行った。また、何かを確認する際には、いちいち必ず全員が声出し応答をしている(○○確認しました!とか、△△できました!とか)。

実は手術前には妻と半分冗談で、腎臓の左右を間違えられないように直前に確認した方が良いよね、などと話していたが、それは全くの杞憂だ。ここまで徹底しているとは想像していなくて、これならミスなど起こり得ないだろうな、などと思いつつ、それでもまれに、そういうニュースを耳にしてしまうのだ。

はじめに麻酔である。全員麻酔の前に、背中から痛み止め?の麻酔を入れる。その後仰向けになり、酸素マスクを被せられ、なんか息苦しいなあ...嫌だなあ...と思っているとすぐにマスク内にシュッシュッと気体が満たされ...

 

気が付くと、そこは病室のベッドの上だった。