腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

退院後の自宅療養

無事退院して帰宅、しばらくは自宅で療養である。

とりあえず少しダラダラしようと思い、実際に二日ほどゴロゴロした後、鏡を見て気付いた。腹がどう見てもおかしい。手術前に痩せたこともあって、右の腹はぺたんとしているのに、手術をした左側は「ボヨン」というか「だるん」というか、とにかく全く引き締まっておらず、腸が飛び出してしまっているような感じになっている。

ネットで調べてみると、どうも開腹手術をした人はこんな感じらしい。やはり、筋肉を切ってしまっているので、腹が緩んでしまうみたいなのだ。見た目が元に戻るにはそれなりの時間を要する模様である。

これは、無理のない範囲で運動して、引き締めていくしかない。ということで、職場復帰まで毎日ウォーキングすることにする。

昼食を少し歩いて買いに行くところから始める。はじめは1キロ程度、だんだんと2キロ、3キロと延ばしていく。あまり無理をしてはいけないが、例えば、自宅から浦和駅まで歩き、浦和パルコの紀伊國屋書店に寄って物色、昼食を食べてから電車とバスで帰ってくると、3キロ以上歩いたことになる。電車やバスに乗ること自体も、通勤に向けてリハビリになっているはずだ。

入院中に上司が見舞いに来た際に話をして、復帰は一応1月28日の月曜日ということにした。この場合、退院後ニ週間も経たないうちに職場復帰することになり、少し早いような気もするが…様子を見つつ、ということで一旦ここで線を引いた。

不安なのでもう少し休んでから、という気持ちも正直あるが、逆に、やはり復帰して体を動かさないと元に戻らないんじゃないかという思いもあった。家にいると、動ける範囲って限度があるからね。無理のない範囲で、という限定付きにせよ、実戦が一番のリハビリかもしれない。 

なお、自宅療養中の18日、上司より、管理職の最終選考に無事合格との連絡があった。とりあえずホッ。このまま行くと4月に昇任して異動となるが、その人事異動の動きに合わせて、早めに人事部署に僕の状況を伝えておく必要がある。復帰したらすぐに、その辺りの僕の状況や希望、例えば現実的にどのくらいできそうか、などについて相談をしなければならない。

今回の手術で、悪い部分を切って取り出した上、それによって体調も劇的に良くなった。微熱、寝汗、だるさ、夜間多尿など、諸々の悪液質の症状は、今のところ全く出ていない!なんだか生まれ変わったような気分だ。この気分を大事にしたい。そのために、何か変えよう。取り急ぎメガネと通勤用カバンと靴を新調。さらに復帰前に美容院でヘアカット。物欲かよ。

なお、入院中に読破!と勢い込んで持っていった本は、入院中はあまり読むことができなかった。読了は『生存する意識』と『インフェルノ』のみ。ビデオの方も、ドラマを何話か観た程度である。見込みが甘かったというか、そもそも、最初の3日ほどは痛みでそんな余裕がないし、その後もなんというか、手術のダメージからか、本や映画を楽しむという感じにならないのだ。実際に手術で入院して、わかったことの一つかもしれない。

次回で、シーズン1は最終回。