腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

病理検査の結果

自宅療養の終わりと職場復帰も近付いた24日、退院後の初回外来にてE先生を受診。妻と一緒に病理検査の結果を聞く。

腫瘍は、予想通り悪性であった。種類は、腎がんの中でも最も多い種類の「淡明細胞型腎細胞癌」で、全体の7〜8割を占めるもの。このタイプは、予後として良くもなく悪くもなく中程度だそうである。ここまで想定内だったが、その後、想定外の話となる。

切除した臓器及び腫瘍を詳しく病理検査をした結果、一部に浸潤が見られたとのこと。つまり、がん細胞が臓器を突き破って一部外にはみ出ていたということだ。腎がんの場合、がん細胞が臓器内に留まっているか否かの差は、大きい。

(もちろん他のがん種でも同様にその違いは大きいのですが、腎がんの場合は、浸潤するレベルにがんが大きくなるまで時間がかかること、またその線を越えるかどうかというのが予後にも大きく関わってくる、という意味で)

がんというのは、そのプロセスとして、最初は臓器内に発生し、だんだん大きくなり、そのうち臓器を突き破って外に出る(浸潤)。その後血液などを通って他臓器などにたどり着き(転移)、そこで成長して「再発」となる。

つまり、浸潤というのは転移や再発の第一歩なわけで、逆に浸潤なく臓器内に留まっていれば、基本的には転移することはない、はず。

この結果として、ステージについても「T2a」から「T3a」へ変更。一般的に言えば、ステージ2の初期から一気にステージ3になってしまったわけだ。

現段階で転移や再発が発生しているわけでは、ない。E先生いわく、手術では、目視できる範囲で取れるものは全て取った。従って今の段階でできることはない。ただ、浸潤している以上、がん細胞が他へ広がっている可能性は否定できない。今後の経過を見ていくしかない。そういうことであった。

これはちょっと、いや結構なショックだった。腎がんについて自分なりに勉強していたので、なおさらである。「ステージ2で浸潤なし」ということと「少しでも浸潤がある」ということの違いは、理解している。ある程度大きくなっていてもあくまでステージ2(T2a)なのであれば、何はともあれ切除してしまえば正直ある程度は安心だ。それが、一部でも浸潤しているとしたら。がん細胞というのは、当然ながら目に見えるものではないわけで、浸潤つまり少しでも臓器の外に出てしまっているのであれば、それがどこまで、そしてどの程度出てしまっているのかということは、わからなくなってくるのだ。

ただ、これはもう、どうこう言っても仕方ないし、誰に責任があるわけでもない。しいて言うなら、ここまで育つまで放置した、自分の責任じゃんね。とは言ってもまあ、気づきようがないんだけど。例えば昨年、もう少し早く(といっても3カ月程度だけど)健康診断を受けたら、もっと早く発覚して手術、となったかもしれない。でもそのタイミングだと、もしかしたら貧血までは健診結果に出なかった可能性もある。そうなると、翌年の健康診断までわからなくて、もっと腎がんが進行していた可能性だってある。

そういう意味では、あのとき見つかって、その後すぐに精密検査を受けて、比較的迅速に手術まで辿りつくことができたというのは、それしかないタイミングだったんじゃないか。そう思いたいし、きっとそうなんだろう。

今後どうなるかはこの時点ではわからないし、それこそどうしようもないから、まずは社会復帰して、当面、前向きに生きていこう。

 

今回でシーズン1が終了、すぐにシーズン2開始予定。