腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

免疫療法の治療経過

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先日、「免疫療法の治療開始」と題してブログ記事を書いたが、後で読み返してみたところ文中では治療開始までたどり着いていないことに気づいた…というわけで今回は本当に治療開始からの経過を記録したいと思う。
前回の受診時に血液検査・尿検査、造影剤を使ってのCT検査を改めて行い、免疫チェックポイント阻害剤での治療に向けて問題ないことを確認した後、7月17日の水曜日より治療開始。
当日の流れは、初めに血液および尿検査。その後、検査結果が出るまでしばらく待った後に、K先生の診察を受け、問題ないようであれば点滴となる。診察の前には体温、体重と血圧のチェックも行った。
血液検査は基本的に毎回実施する。免疫チェックポイント阻害剤での治療では、副作用が出ていないかどうかの確認というのが非常に大切になってくるのだが、これには本人の訴えや発熱・体重増などの目に見える変化以外に、血液検査の数値がすごく重要。具体的には貧血や、炎症反応が出ていないか、肝機能、副腎機能、甲状腺機能などのチェックなのだが、ここに異常が表れていれば、何らかの対処が必要となる。軽度の場合なら、点滴は行うけれども何らかの薬の処方が必要であったり、ひどければ点滴ができないこともある。また点滴を一回スキップするだけでいいのかどうかも、都度医師の判断になるのだと思う。
そして、この血液検査の結果が出るのに、非常に時間がかかる。freeT3、freeT4、甲状腺刺激ホルモンといった甲状腺関係の値に、特に時間がかかるらしい。始めはそのことを知らず、あまりに待たされるものだから状況を聞いてみたところ、基本一時間半は待てとのこと…先に言って欲しかったなあ…が、そこは仕方ない。そうとわかれば、時間を調整してその間に昼食を食べたりできるので、以降はそのように。
僕はなるべく遅い時間の方が都合が良かったのだが、点滴に3時間かかるので、遅くても午後2時には点滴を開始しなければならない。それに合わせての一日の動きは以下のような感じ。

  • 11時過ぎ:自宅を出発
  • 12時過ぎ:病院に到着
  • 12時半頃までに速やかに血液・尿検査を受け終える(ここから検査結果が出るまでに1時間半)
  • 12時半頃:昼食
  • 13:30頃:泌尿器科の待合に戻り、待機
  • 14時までにK先生の診察
  • 14時過ぎから「外来ケアルーム」にて、点滴
  • 17時まで:点滴終了し会計、帰宅

場合によっては朝に出勤し、朝イチの会議に出席してから病院へ向かうこともあった。これはなかなかハードで、上のように12時に病院は難しく、午後1時近くになってしまったり。その場合は点滴開始が遅れ、結果的に終了も遅くなり、病院の会計が終わってしまっているなどということもあった(そういう時は入退院受付で会計になる)。
点滴は、以下の順番で行う。

  1. 最初に、点滴する方の腕を温める
  2. 生理食塩水を点滴投与(30分)
  3. オプジーボ点滴投与(30分)
  4. 生理食塩水を点滴投与(30分)
  5. ヤーボイを点滴投与(30分)
  6. 生理食塩水を点滴投与(30分)

これで終了。合計およそ3時間。
病院の「外来ケアルーム」という、外来で点滴投与するための専用の部屋があるのだが、ベッドではなくリクライニングチェアのような椅子で行う。快適。暇なのでタブレットを持ち込んで映画をみていたりするのだが、上のとおり30分おきに点滴を交換するため、時々映画が中断される(笑)。
7月17日が初回で、以降8月7日、8月28日、9月18日と通い、点滴を行った。これで合計4回となり、オプジーボとヤーボイの併用は終了。9月18日から3週空けて、以降はオプジーボ単体で2週間おきの投与に切り替わる。オプジーボだけなので、点滴の時間はかなり短縮されるはずだ。
併用治療を行った4回の間は、血液検査では特に問題も出ず、淡々と治療していった感じなのだが、初回投与の直後、痒みがひどくなったことがあった。前にも書いたが、僕はアレルギー性じんましん持ちで、若い頃は全くなかったのだが40歳を過ぎた頃から痒みがひどくなり、そのように診断された。アレルギー性とは言っても原因は不明で、調べてもわからないのだが…抗ヒスタミン剤(ザイザル2錠)を毎日飲んで、痒くなったらステロイド系塗り薬を塗る、という状況。この痒みが、最初の点滴直後あたりから、たぶん、強くなった。さらに、いつも夏になるといわゆる「汗疱」が手にできて痒くなることがよくあるのだが、それも今年は同じタイミングで、しかも例年よりひどい痒さ‥免疫チェックポイント阻害剤というのは免疫のブレーキを外して強くする薬であって、アレルギー性じんましんも結局は免疫反応ではあるので、副作用として痒みが増している可能性がある。2回目の診察時に聞いてみたところ、医師もそういう可能性はあるかもしれないとのことてあった。薬で何とかやり過ごすことはできていたのと、一カ月ほど経った8月下旬頃には結局治まってきたので、それ以上の問題にはならなかったのだが。
そんな状況で4回の点滴は無事終わり、4回目の9月18日からさらに三週間経ったところで、オプジーボ+ヤーボイ1クールの効果を見るためにCT検査を行うこととなった。