腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

退院、したけれど

10月30日の水曜日に退院した。妻に病院まで来てもらい、荷物を持って退院を済ませ、電車で帰る。都電荒川線の宮ノ前まで徒歩3分ほど歩く。途中、昼時だけやっているインドカレー屋を見つけ、さすがにカレーは買って帰れないのでラッシーをテイクアウトで二つ購入しする。

退院時の薬として、プレドニゾロン、チラーヂン、ランソプラゾールを処方される。プレドニゾロンステロイド剤で、当面は一日8錠、40mgを飲む必要がある。チラーヂンは甲状腺機能を上げる薬、ランソプラゾールは胃酸を抑制する薬で胃潰瘍・十二指腸潰瘍やピロリ菌除去に使われる。僕の場合はステロイド胃潰瘍を防ぐために処方されているようだ。入院中からこの三点セットを服用しているので、退院後もしばらくそのまま服用する。

翌日は休暇を取り、11月1日の金曜日から仕事に復帰することになっているので、一日半ほどは自宅でくつろいだ。

およそ二週間仕事を休み、その間に髭がだいぶ伸びた。剃ってしまうのがちょっともったいないのと、個人的に気分を一新したくて、人生で初めて髭を伸ばしてみることにした。ロバート・ダウニーJr風に髭を整え、自己満足(笑)。

金曜日、仕事に復帰。初日は通勤が不安なので午後から出勤する。実際、少し階段を駆け上がろうとしたら、脚に力が入らない。まさに「ガクブル」状態である。二週間でこんなに衰えるものか。

職場に着きひと通り挨拶した後、部下より不在中の報告を受ける。とは言っても適宜入院中もやり取りはしていたので、それほどの浦島太郎状態ではない。後は、僕のハンコを待つ決裁書類の山…だが、今日は適当なところで切り上げて帰宅。週末に英気を養って、来週から頑張ろう。

入院中の10月28日は、息子の14歳の誕生日であった。義父母が来てくれ、プレゼントを買ってバースデーケーキは食べたそうだが、家族でのお祝いはできず、退院後にお祝いしようということにしていた。無事退院できたし、僕も食事には何も問題ないので、この週末に何か息子の好きなものを食べに行くことにした。ちなみに手術の時には入院が娘の誕生日と重なってしまった。息子の場合は、数年前にも僕の長期海外出張と重なってお祝いできなかったことがあったなあ。

そんなこんなで、久々の出勤を終えて週末である。土曜日は予約を入れてあった美容院と接骨院へ行く。接骨院は腰と肩(四十肩)の治療でここのところ通っている。両方とも行きつけの店・院で、腎がんのことは話してあったのだが再発のことまでは言っておらず、ついでなので入院の経緯を説明し、盛り上がる(笑)。

翌日曜日、夜は息子の誕生日祝いで焼き肉を食べに行こうと話していたところだが、朝起きて鏡を見ると、額のあたりに赤い発疹がある。そういえば前日の夜、寝る前に抗ヒスタミン剤のザイザルを飲み忘れたことを思い出した。持病のアレルギー性じんましんのため、入院中もずっとザイザルは服用していたのだが、これを飲み忘れたためにじんましんが出てしまっているのだと、その時はそう思っていた。

その後、昼過ぎに妻から「なんか、顔に赤いのたくさん出てない?」と言われ、いや昨日ザイザル飲み忘れちゃったからさ、と答えつつ、もう一度洗面所で鏡を見ると、じんましんの時の発疹とは違う。顔だけじゃなくて首、胸、腹、腕。足も、股の付け根から下の方まで赤い発疹がある。そして、これがポイントなのだが、痒くない。明らかにおかしいじゃんね、コレ。ステロイド剤投与の副作用で薬疹が出ているのか?