腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

手術方法と手術日の決定

職場との相談も終わり、改めてさいたま市立病院泌尿器科へ。

僕の担当医師はE医師。若く、まだたぶん三十代半ば?くらいに見えるが、ソフトで落ち着いて丁寧に話してくれる、良さそうな印象である。手術も彼の担当となる。

はじめに、僕の腎がんの状況だけでなく、血液検査の結果についても説明を受ける。

まず、僕の腎機能の状況だが、これは「クレアチニン」という値を見る。0.66という数値で良好だ。低い方が良いそう。要は、腎臓がどの程度血液の老廃物?を濾過できているか?の値みたいなもの、と理解した。ちなみにこれは腎臓二つでの数字であり、片方摘出となると、倍程度になるが、それで機能としては事足りるので、その数値で落ち着けば問題はない。

それから、今回の僕は貧血が出ているので、手術まで鉄剤を飲む必要がある。鉄剤で値が戻ってくるとは思うが、手術の際の状況によっては輸血が必要になるかもしれないとのことである。

他には、例えば高血圧があると手術に大きなリスクになるなど、気にしなければならない点がいくつもある。単に手術してしまえば良いというわけではないのだ。僕の場合、幸いなことに至って健康体だ(がん除く…)。手術を受けるにあたってのリスクは、貧血以外は特になかった。貧血については腎がんに伴い発生しているものなので、仕方ない。

今回腎がんになったことは事故みたいなものと捉えているが、それでも、それ以外の、自分で調整可能な部分の健康維持が大切だということを、この時は強く感じた。手術すれば治るのに、他の要因で手術ができなかったとしたら、それは嫌だ。

手術方法であるが、E先生いわく、部分摘出も可能かもしれないが大きさから言って全摘を勧めるとのこと。また開腹、腹腔鏡下手術どちらでも可能だが、腹腔鏡下手術だと最短で1月23日の手術となってしまう。開腹だと1月9日で手術可能とのこと。あれ?M先生は12月で可能って言ってたのに…とE先生に告げると、「ああ、M先生そんなこと言ってましたか…」と困り顔。察するか…

手術自体は3〜4時間程度で終わるもの。全身麻酔で実施するので麻酔科の医師も立ち会う。

手術日が想定よりも遅くなってしまうものの、今回、セカンドオピニオンはしないことにした。自分でいろいろと調べて、今回の治療が手術となることで間違いないのは理解している。となれば、自分で検討して選んださいたま市立病院以外の話を聞く必要はないだろう。日程が思っていたより遅くなるが、そもそもどこも大差ないようであるし、今から他病院となればさらに遅くなる可能性が大きい。

手術日については、この時点が11月末であり、やはり1月23日は「だいぶ先」感が強い。とにかく「早く取ってしまいたい」という気持ちが強く、また何となくであるが、開腹でしっかり切除してもらった方がすっきりするという気がして(これは多分に気持ちの問題であるが)、年明け早々の1月9日なら、と開腹手術に決めた。

なお、結局1月に入ってからの日程になったことで、懸案だった最終試験には影響はないし、担当業務を引き継ぐ時間も十分に取れる。

手術は朝9時からで、前日の1月8日に入院ということとなり、その日は病院を後にした。手術まで一カ月と少し。おそらく仕事は暦どおりに年内いっぱいとなると思う。年末年始からそのまま休みに入り、1月中は休もう。12月の間に引き継ぎと最終面接を終わらせて、安心して治療に入れたら、それはそれで精神的には良いことだ。