腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

2019-01-01から1年間の記事一覧

再び、入院生活(後編)

11月9日 土曜日(再入院7日目) プレドニゾロン点滴、本日より60ccとなる。皮疹はほぼ治まっている。 午前中に点滴を終え、昼食を病院で取った後、午後2時より外出。一度自宅に戻ってゴロゴロした後、夕方に「おやじの会」会合へ。 この日はただの飲み会では…

再び、入院生活(前編)

11月3日の日曜日、退院してから三日後、全身に皮疹が出て再度入院となってしまった。 再入院した日は、ステロイド剤(プレドニゾロン)80ccを点滴投与して様子を見る。相変わらず痒みはないのだが、夜になると皮疹がひどくなっている。発熱はないものの、皮…

入院、再び

全身に赤い発疹が出ている。痒みはない。明らかに異常だ。これはステロイド剤による薬疹ではないか?ということで、午後1時過ぎ、東医療センターに連絡を取る。事情を伝えて泌尿器科につないでもらう。 その日は日曜日であったが、H先生が当直で勤務していた…

退院、したけれど

10月30日の水曜日に退院した。妻に病院まで来てもらい、荷物を持って退院を済ませ、電車で帰る。都電荒川線の宮ノ前まで徒歩3分ほど歩く。途中、昼時だけやっているインドカレー屋を見つけ、さすがにカレーは買って帰れないのでラッシーをテイクアウトで二つ…

入院生活

入院した日にステロイド剤(プレドニゾロン150cc)を点滴投与したものの、夜の時点ではまだ頭痛と吐き気は収まらず、ロキソニンを服用してなんとか眠ることができた。 そして翌朝。目覚めると、頭痛が劇的に収まっている。完全に、というわけではないが、そ…

救急搬送、入院

10月20日の夜は頭痛と吐き気でほとんど眠れなかったが、翌朝も状況は変わらない。そのため早々に東医療センターへ行くつもりであったが、吐き気がひどく、妻の運転で助手席に乗って行くことも厳しい。おそらく途中で吐いてしまうだろう。結果、救急車を呼ぶ…

副作用の発生

前回からだいぶ間が開いてしまったが、今回からシーズン3である。 10月9日、オプジーボとヤーボイの効果を確認するためにCT検査を行い、再発部分の腫瘍が消失したことは前回書いたとおりだ。そのことと時を前後して、軽い頭痛、それから筋肉痛を感じるように…

【がん本レビュー】『がん‐4000年の歴史‐上・下』シッダールタ・ムカジー

がん本レビュー、第二弾。今回は「がん」のノンフィクションを紹介。ピューリッツァー賞受賞作品。 『がん ‐ 4000年の歴史 ‐ 上』シッダールタ・ムカジー著(平成30年12月読了) 『同 下』 面白かった度:★★★★★ 役に立った度:★★★★★ おすすめ度:★★★★★ 人類…

免疫チェックポイント阻害剤の効果

オプジーボとヤーボイの併用療法、4回目の点滴投与が終了した。そこからさらに3週間空けた10月9日の水曜日、オプジーボ単体での点滴に切り替えるとともに、それまでの治療効果を確認するため、造影剤を使ったCT検査を実施した。 ここまで、前回も書いたとお…

免疫療法の治療経過

先日、「免疫療法の治療開始」と題してブログ記事を書いたが、後で読み返してみたところ文中では治療開始までたどり着いていないことに気づいた…というわけで今回は本当に治療開始からの経過を記録したいと思う。前回の受診時に血液検査・尿検査、造影剤を使…

お金の話〜①医療費について

このブログでここまであまり触れていなかったが大事な話があって、すなわちお金の話である。大きく分けるとトピックは二つ、一つは僕が今回始めることにした、免疫チェックポイント阻害剤に関する医療費の話と、もう一つは、がん保険等の医療保険の話なのだ…

免疫療法での治療開始

東京女子医大東医療センターでセカンドオピニオンを受け、再発に関する治療はそちらで受けることに決めた。 7月5日金曜日、セカンドオピニオンの結果を持って、さいたま市立病院へ向かう。E先生に転院したい旨を告げると、快く了承してくれ、同時に転院に向…

セカンドオピニオン、転院

腎がん手術後から半年後のCT検査で、摘出後の組織に再発があることが判明した。8センチと2センチほどの大きさの腫瘍が二つ、画像に写っていた。 医師から提示されたのは、2種類の薬物療法。一つは分子標的薬、もう一つは免疫チェックポイント阻害剤による免…

再発

手術後3ヶ月検査で、手術跡の組織に、2センチほどの小さな、しかし異常な変化が見つかっていた。その時点では何とも言えず、単なる術後変化かもしれないし、再発かもしれない。その経過を見るために、さらに3ヶ月経った6月下旬、再びCT検査を受けた。 CTを6…

手術3ヶ月後のCT検査

手術後の病理検査で浸潤が見つかり、僕の腎がんのステージはT3aとされた。このため、手術後の定期検査も、通常なら半年後となるところ、3ヶ月後に行うことになった。3ヶ月後であれば4月に入ってから、なのだが当時、僕はと言えば仕事で4月に異動することがほ…

【がん本レビュー】最初に読む系の2冊

シーズン2に入る前に少し話題を変えて。 腎がんと判明してから、関連の本を7冊ほど読んだ。たぶん今後も増えていくと思う。ここではそれらのレビューというか、内容を簡単に紹介しつつ感想などを記録していきたい。 各レビューの「評価」では、「面白かった…

病理検査の結果

自宅療養の終わりと職場復帰も近付いた24日、退院後の初回外来にてE先生を受診。妻と一緒に病理検査の結果を聞く。 腫瘍は、予想通り悪性であった。種類は、腎がんの中でも最も多い種類の「淡明細胞型腎細胞癌」で、全体の7〜8割を占めるもの。このタイプは…

退院後の自宅療養

無事退院して帰宅、しばらくは自宅で療養である。 とりあえず少しダラダラしようと思い、実際に二日ほどゴロゴロした後、鏡を見て気付いた。腹がどう見てもおかしい。手術前に痩せたこともあって、右の腹はぺたんとしているのに、手術をした左側は「ボヨン」…

手術〜③退院前説明から退院へ

手術後、ここまでは順調に来ているような気がする。5日経ったところで、回診にてE先生からも順調との言葉があり(確か血液検査の結果なども踏まえての話だったと思う)、当初想定どおり、1月16日退院となった。 1月15日 火曜日(手術から7日目) E先生から、…

手術〜②手術直後

気が付いたら、病室のベッドの上。 手術台の上で酸素マスクを着けられ、麻酔がシュッシュッと出てきて、「息苦しい」と思ったところまでは記憶がある。その次が、ベッドの上なのだ。目が覚めて、天井が見えた。途中の記憶は、全くない。 その時点で、時間は…

手術〜①入院から手術実施まで

いよいよ手術だ。 12月には、無事に最終試験も終了し、引き継ぎも終えることができた。プライベートでは、1日に浦和レッズのシーズン最終戦(娘と参戦)、8日は僕の誕生日で北浦和「十勝平野」にて家族でジンギスカン(これは食べることができた!)、翌日9…

慢性炎症と悪液質〜手術前の体調について

ここで、手術直前の時点での、僕の体調の状況を確認しておく。 まず体重は、このとき66キロ台まで落ちていた。健康診断時は70キロほどだったが、記憶だとその前、当時ちょっと太り過ぎなのだが、9月頃には74キロほどあったはずだ。ということは、おそらく8キ…

手術方法と手術日の決定

職場との相談も終わり、改めてさいたま市立病院泌尿器科へ。 僕の担当医師はE医師。若く、まだたぶん三十代半ば?くらいに見えるが、ソフトで落ち着いて丁寧に話してくれる、良さそうな印象である。手術も彼の担当となる。 はじめに、僕の腎がんの状況だけで…

腎がん手術の、仕事への影響について

さいたま市立病院でのM先生受診から三日後、手術方法や日程等を決めるために再び泌尿器科受診することとなったので、その前に職場と相談しなければならない。 連休を挟んで五日振りに職場へ出勤し、直属の上司含め関係方々に私の病状、今後の治療予定など諸…

専門病院での受診と、ほぼ確定診断

三日間かけて腎がんを診てもらう病院を決め、三連休明けの11月26日月曜日、朝一番でN内科へ向かう。紹介先としてさいたま市立病院のM医師と告げ、紹介状の作成をお願いする。同時にN内科を通じて予約してもらい、11時に外来受診となる。 自宅からN内科は車で…

三日間で病院決め〜③病院の検討

ダークサイドに落ちかけたが、がんばるしかない。 このブログには仔細をかいつまんで記しているが、実際には三日間、そんな感じに上がったり下がったりしながら、ゴロゴロしつつ、いろいろなことを考えた。すぐに悪い未来が浮かび上がってきて、かつてはあく…

三日間で病院決め〜②腎がんの特徴と治療法

さて、三日間で病院を決めなければならなくて、必死に調べ、わかったこと。これを記しておく。 まず最初に、「腎臓がん」は正確な名称ではない。僕の病名は「腎細胞癌」というのだそうだ。略して「腎がん」ともいう。単に腎臓がんというと「腎盂癌」も含むよ…

三日間で病院決め〜①心の準備編

医師から「腎臓がんの強い疑い」を告げられた後、妻とともに自宅に戻り、これからどうするか考えた。 たぶん、時間的には昼食を食べたのだろう。どこかで食べて帰ったのか、何か買って帰ったのか、全く覚えてはいないが、食べながら、とにかくまずは病気につ…

続・精密検査、そして判明

「微熱とだるさですか…そうなると話は違ってきますね。」 N院長が言った。 「ここまで消化器系の検査をしてきた上で、その症状があるとなると…いくつか原因は考えられます。微熱とだるさがあるということは、慢性炎症を起こしていることが疑われる。それは、…

精密検査、いろいろ調べてみたけれど

職場の健康診断にて、これまで経験したことのない「貧血」という結果が出てしまった。貧血だけじゃなく、値がなんかめちゃくちゃ。 さすがに不安を感じて、すぐに地元のクリニックで精密検査を予約した。北浦和駅近くのN内科を予約。 ここは若い医師が夫婦で…