腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

三日間で病院決め〜③病院の検討

ダークサイドに落ちかけたが、がんばるしかない。

このブログには仔細をかいつまんで記しているが、実際には三日間、そんな感じに上がったり下がったりしながら、ゴロゴロしつつ、いろいろなことを考えた。すぐに悪い未来が浮かび上がってきて、かつてはあくまで空想・妄想事だった「死んだらどうなるのかな?」なんてことを、かなりのリアルを持って、考えたりしていた。 

そんな状況なので、決めなきゃいけないことも進まない。

いつもの僕なら、行き詰まれば独り言をわざと呟いてみたりして、子供たちを巻き込みながら気分転換を図ったりするのだが、それもできず、妻とお喋りしてああだこうだと議論しながら考えを進めることも、もちろんできず。

だってみんな家にいるから...

再開。病院も調べよう。

N内科で教えてもらった病院に加えて、ネットで公開されている腎がん手術数ランキング(ソニー生命ホームページ「手術でわかるいい病院 腎がん手術」)を参考に、いくつかピックアップ。さらに、各病院のサイトにて、手術実績数(ランキングには有名病院しか載ってないので)、ドクター情報(泌尿器科における専門医の配置や各医師の専門分野・所属学会・資格などは重要情報なので必ず確認)、泌尿器科手術の待ち日数などを確認。また、泌尿器科のサイト全体を眺めて、腎がんそのものや治療法などについてどのくらい詳しく書いてあるか。詳しく丁寧に書いているということは、患者に安心感を与えようという態度や、患者本位の情報公開をしようとしていることの表れ、と僕は思うのだ。よって、多分に個人的な基準になるとは思うが、しっかりとチェックする。

N院長いわく「おそらく手術になると思うが、腎がんの場合は術式が決まっていて、どこでやってもそう違うものではない。ある程度の規模の病院であればそう間違いはないし、自宅からの近さというのは、今後の治療や家族のことを考えるとメリットは大きい。もちろん、有名病院で受ける安心感はあると思うし、自分が納得できるところが一番。ただ有名病院は手術までの待ちが長いかもしれない。もちろん、ある程度以上の手術をこなしていることは必要なので、確認を。」だそうだ。

で、候補。

  1. 埼玉県立がんセンター
  2. さいたま赤十字病院
  3. さいたま市立病院
  4. 東京女子医科大学病院
  5. 埼玉医科大学国際医療センター

1〜3は地元の大きな病院。自宅から、1は車で30分、2は15分、3は10分というところ。それぞれ年間手術数は2〜30件程度であったと思う。上の1は「都道府県がん診療連携拠点病院」(国指定、県内唯一)、2と3は国指定の「地域がん診療連携拠点病院」(国指定、県内で11病院)である。いずれも地域の病院としては信頼度は高く、かつ、そこそこ手術もこなしていている。中でも、さいたま市立病院は自宅から近く、子供が小さい頃は夜間救急で、さらには子供二人で合計5回ほど入院して、大変お世話になっている病院なので、親近感は抜群(逆に言えば、身近過ぎ、でもあるけど)。

ひととおり確認したところでは、実はというか、地元のさいたま市立病院に良い印象を持った。灯台もと暗し、と言ったら失礼だな。泌尿器科部長のM医師は専門性・実績・資格等を十分にお持ちである。こちらの病院には知人もおり、医師の評判含め貴重な口コミ情報も得ることができた。

4と5はランキングを見てピックアップ。全く知らなかったのだが、東京女子医大病院は腎がんの手術数で全国でダントツ1位である(年間300件近く)。また、腎がんだけではなく、腎臓移植の分野でも全国有数の病院なのだそうだ。ホームページでも、腎臓の解説から病気、治療法まで、かなり詳しく解説がされている。ドクターも実績十分。場所は新宿河田町なので(その昔、学園祭にライブを観に行ったこと有)、自宅からは少し遠い。

埼玉医科大国際医療センターは、埼玉県内というロケーション、かつ手術数が全国上位(年間100件近い)ということで候補にした。国の「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」の指定を受ける。「高度型」は、全国325の地域がん診療連携拠点病院のうち、医療圏内で最も優れた高度機能を持つ病院がのみ指定され、全国で14病院のみ指定(県内唯一)(令和元年7月1日現在)。病院ホームページでの情報提供は良い印象だし、がんの専門医療機関として、さらには腎がんでの専門性が高いようだ。ただしこちら、実は県内と言っても「日高市」であり、我々埼玉都民(笑)としては、新宿の方が近いっつーの!という距離がネックである。

がん診療連携拠点病院についてはこちら

結論から言うと、さいたま市立病院に決めた。

N院長からの「腎がん手術は術式が決まっていてそれほどの差はない…」という言葉を前提に踏まえ、

  • 地元であるという安心感(家族が通いやすい、外来通院も楽)
  • それなり以上の手術実績がある(年間数十件)
  • 医師の実績や専門度に納得感がある
  • 知人からの口コミ良し!

以上の理由から、総合的に判断した。有名病院2つも魅力だったが、「場所が近いメリット」を優先度高く設定し、その中で良い、自分が納得できるところに決めた

なお、詳しく書かなかったが、手術までの待ち日数はどこも二~三週間程度でさほど変わらず、選択条件としては大差なし。がん種によっては「数ヶ月待ち」なんていうことも聞いたが、こと腎がんについては、そのようなことはなさそうだ。

 

なお今回、各病院のドクター情報を眺めて思ったこと。結構ドクターの顔写真を出しているのだが、なんか、ちょいワル系ドクターが多かったぞ。カッコイイ。