腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

入院、再び

全身に赤い発疹が出ている。痒みはない。明らかに異常だ。これはステロイド剤による薬疹ではないか?ということで、午後1時過ぎ、東医療センターに連絡を取る。事情を伝えて泌尿器科につないでもらう。

その日は日曜日であったが、H先生が当直で勤務していた。状況を話すと、それはステロイド剤のせいではなく、オプジーボ及びヤーボイの副作用を疑う、とのこと。ステロイド剤すなわちプレドニゾロンはそもそもそのような症状を抑えるための薬であるし、入院した日つまり10月21日からステロイド剤を投与しているので、薬疹が出るならもっと早く出るはず、だそうだ。確かにそう言われるとその通りだね。H先生からは、発疹以外の、他の症状がないかどうかを聞かれた。すなわち、

  • 高熱(38度目安)
  • 粘膜系の症状(充血、口の中が剥がれる・削れるなど)
  • 喉の痛み
  • 水ぶくれ様のブツブツ等、皮膚症

これらがあるかどうか。ある場合、「スティーブンス・ジョンソン症候群」という重篤副作用の恐れがあるので、すぐに来て処置すべし、ということだ。スティーブンス・ジョンソン症候群は主に薬害原因で発症するらしい。今のところはそういった症状はなさそうなので、一旦様子見として、他の症状が出たりひどくなるようなら連絡を、ということで電話を切る。

が、その後すぐに、H先生から再度電話。向こうでも詳しく調べてくれたのだろう。僕の症状、すなわち全身に赤い発疹(皮疹というそうだ)が出ている状態だが、免疫チェックポイント阻害剤における副作用のガイドライン上では、「全身の3割以上で湿疹」というのは全体で5段階あるうちの真ん中、「グレード3」となり、対処としては「点滴によるステロイド投与が推奨」である。点滴は自宅ではできないから、つまり入院した方がいいということ。ここまで聞いた段階で自分から入院を申し入れ、病院に行くことにした。

なお、自分でも後でそのガイドラインを調べたところ、ガイドラインのグレード5、つまり一番重い状態は「死亡」なのであった…もちろんグレード3とグレード5の間には大きな開きがあると思うのだが。

前回に比べれば、そこまで緊急を要するわけではないので、ちゃんと入院準備をして自分で車を運転して病院へいくことにする。妻と、娘もちょうど自宅にいたので三人で荒川区までドライブだ(笑)。午後3時半頃出発し、途中寄り道しながら一時間足らずで到着。

到着後は入院手続きと採血・問診の後、病室へ。前回と同じ病室で、別のベッドだった。窓際の奥で水道の横なので、自分的には一番いい場所。

その後しばらくして、H先生が来て説明してくれる。いわく、

「症状からは、おそらく重篤副作用(スティーブンス・ジョンソン症候群)の心配はないと思う。プレドニンプレドニゾロン)の点滴を80ccで行ったが、これくらいしか今のところできることはないので、連休中はこれで様子を見ましょう。ただし、症状が変わったりした際にはすぐに教えてください。」

重篤副作用てはないとのこと。良かった。

「それから、今回は皮膚疾患なので、皮膚科を受診してもらい、そちらの所見も聞きます。皮疹が治まって飲み薬に戻ったら退院、一週間程度になるかと思います。近藤先生にも連絡を取っていて、相談しながら進めていますので。」

ということで、退院して三日で再入院となる。退院というより、ほぼ外泊しただけのようなものだ。当然ながら、息子の誕生祝いも再延期である。