腎がんなんて俺の人生に何の関係もないと思っていた

平成30年に腎がん(腎臓がん・腎細胞癌)が発覚してから、僕の治療と生活と仕事の記録

きっかけは健康診断

これから一年前に戻って、僕の腎がん発覚からを振り返っていきたいと思うが、その前に、現在の状況を書き留めておく。

 

現在、再発腎がん治療のための「免疫チェックポイント阻害剤」(オプジーボ+ヤーボイ)の副作用治療のため、都内T大学病院Sセンターに入院中である。全身に皮疹(赤い発疹)が発生している。ステロイド剤(プレドニン)の点滴投与により症状を抑えつつ、落ち着けば退院となる予定。

このブログではしばらく時系列で僕の腎がんライフを追いかけ、そのうち現在に追いつく予定。時が来れば、現在の副作用の経緯や状況なども書くつもりだ。

 

さて一年前の平成30年秋。職場の健康診断は毎年受けていて、この年は10月10日に受診していた。血液・尿・心電図・X線・視力聴力その他一般的なもの。バリウムを飲んでの消化器X線健診は7月に受診済みで、特に問題はなし。

当時、仕事では結構な激務に就いており、それが一年半ほど続いている状況だった。ピークは過ぎていたものの、おそらく心身ともに疲れやストレスは貯まっていたんだろうな。ただこの頃、仕事の疲れだけではちょっと説明のつかない、よくわからない疲れを感じていた。週末にピークが来る仕事だったので、金曜にはそりゃもうヘロヘロになって職場から駅までの道を歩いていたのだが、まだ疲れていないはずの月曜火曜に、定時で帰宅してもその状況。家に着くとリビングのソファ、下手すると寝室で横になってしまう有り様であった。

そんな状況で10月31日、職場へ健診結果がメールで届く。仕事中の合間を見て内容を確認すると、多くの項目で見たことのないコメントや数値が並んでいる。それまで僕が健康診断で引っ掛かるといえば、だいたい体重増のときにコレステロール系、尿酸値が基準値超過というもの。あとはメタボ指数?とか、そんな感じなのだが、今回はどう見てもおかしい。

参考に晒しておく(抜粋)。f:id:fling_t:20191106094101j:image

いろんなところに「貧血」の文字。そして血小板が異常に多い。逆に、普段は高いはずのコレステロール中性脂肪が「低値」と出ちゃってる。なんじゃこりゃ…

頭にMC…と付くのも貧血系の値だったかな?とにかく、40代半ばにして過去貧血になんてなったことないし、明らかに値が「めちゃくちゃ」になってる印象だ。さらには、体重が前年よりだいぶ減ってるのだが、これも当時はダイエットに成功!とか思っていたけど今にして思えば、減り方がちょっとおかしかったかもしれない。判定欄で「要医療」って書かれたのも初めてだよ。

こんな感じで、さすがに自分でも不安を感じて、妻にも相談し、これはすぐ精密検査を受けなきゃだめじゃんね、と。

幸い僕も妻も、何でもすぐに調べる性格なので、この値からわかることを探ってみた。「貧血」という点でいうと、中年のおっさんの貧血というのは結構怖いものらしい。疑われるのは「鉄欠乏性貧血」や、消化器系の腫瘍などだが、男性の場合は消化器系の腫瘍すなわち胃・大腸・十二指腸の潰瘍、もっと悪ければそれらの癌などもあり得る。

僕の場合、実は以前から痔持ちであり、その点でも一度きちんと消化器系の検査をしたいと思っていたので、すぐに地元のクリニックを予約した。水曜日に健診結果を受け取り、二日後の金曜夕方に医者を予約。我ながら珍しく素早い動きであったが、今にして思えば、「何かやばい予感」みたいなものがあったのかもしれない。

 

さらに言うと、先ほど書いたとおり、この頃よくわからない「疲れ」を感じていたのだが、同時期に、夜になると37度を超える微熱が出るようにもなっていたのだ。疲れ、微熱、貧血。なんか揃ったよね。